Arrivederci!ぐっさん

アド山

2010年03月02日 00:44

2/28、坂口最後の営業日。

いつものように、いつもの時が流れます。
2年と少し、このような時間が流れました。
大変な時期もありました。ここで書くことは出来ないのですが、本当に大変な時期もありました。
それでも、私たちアドマーニにとって、坂口というソムリエ、ソムリエである以前にカメリエレですね、は必要不可欠な存在でした。



先日渡したマダム手書きの卒業証書。

何事もなかったかのように、いつも帰る様に、そんな感じで送り出そうかと思っていました。





この10年と少しの間、アドマーニを勤め上げた人間はさほどいません。
本当に数えるほどです。
けど、その数少ない人間は、今では、福岡でソムリエとなり、イタリアで武者修行をし、オーナー・シェフ、ソムリエとして活躍をし、それはそれは本当に自慢なんです。

私たちの店、アドマーニで働く事はしんどい事だと思います。
けど、しんどいことをやらなければ、そういう仕事の中にこそ、真実や本質がある、そう思っています。

仕事を表層的に捉えるのではなく、どうしてそれをやらねばいけないのか、それをやる事で一体何が得られるのか。一つ一つの事にはすべて意味があります。
それを知ってしまえば、それをやらずにはいられなくなるのです。

そして、仕事は自分を磨くものでなくてはいけないはずです。それは私にとっても同じことで、仕事によって育ち磨かれなければ、職人として、サービスマンとして、意味がありません。
それで良い、と思うのは傲慢な心だと思っています。



そんな思いを受け止められる人間がそう多くはないことは知っています。
だからこそ、受け止められる人間は尊敬し、そして尊重したいと思うのです。
感性、という言い方も出来るかもしれません。

荒田に移ってきて、今の所、その同じような感性を持ち合わせた唯一のスタッフではなかったろうかと思っています。



目つきの鋭い、一見怖そうな、だけど、物腰の柔らかいサービスと耐える心を持っていました。
ワインをこよなく愛し、向上心があり、サービスの本質を求める姿は頼もしいものでした。

そんな彼は、更なる高みを目指すためにアドマーニを離れます。
フレンチ出身の彼は、おそらく熱きイタリアンを通じて、フレンチへの思いを強くしていたのかもしれません。


賄いを食べ終えて、おそらく彼が一番飲みたいであろうワインを手渡し、別れの言葉を口にしました。

胸いっぱいです。

そして、高みを目指し、前進する事ための選択であるのだから、是が非でも、這いつくばってでも前進しろ!!これからはライバルだ。わたしたちに負けるな!



そうして、彼は店を後にしました。


悲しんではいられません。
やらねばいけないことが山積みです。
人手不足?わかっていた事です。それもすべて承知。

また奮闘の日々が始まります。

彼もまた、新しい環境を手に入れ、その中で磨かれていく事でしょう。
君はアドマーニで働けてラッキーだったよ。そして私たちは、君というスタッフと一緒に仕事をする機会を得てラッキーだったよ。

GRAZIE MILLE!!

ARRIVEDERCI !

そして、FORZA!!

高みを目指そう!!!



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