カルボナーラ物語

アド山

2011年06月12日 16:41

カルボナーラ

〜概要〜

炭焼人 (Carbonara) が仕事の合間にパスタを作ったら、手に付いた炭の粉が落ちてこんな風になるのではないかという感じの黒コショウをからませたパスタ。名前の由来に、カルボナリ(炭焼党 - イタリアの秘密結社)との関わりを指摘する者もあるが誤りである。
元々はローマの料理で、パンチェッタかグアンチャーレを使用し、チーズにはペコリーノ・ロマーノやパルミジャーノ・レッジャーノを使う。パスタにはスパゲッティを使用したものが一般的で、これをスパゲッティ・アッラ・カルボナーラ(Spaghetti alla carbonara)という。
生クリームを使うレシピは、もともと卵が固まるのを防ぐためのレストランの方法で、本来は入らない。
卵を用いるこの料理がイタリアで広まったのは、第二次世界大戦の後アメリカ軍が進駐し、戦災援助として卵が大量に配られるようになり、卵料理がイタリアに浸透してからのことである。ヨーロッパ各国にレシピが広まっていったのも戦後しばらくしてのことである。

〜日本風のカルボナーラ 〜

日本では1980年代以降に多くできたイタリア料理店、スパゲッティ専門店で出すようになり、その名が一般的に知られるようになった。日本で広まっているレシピは、ベーコンを炒め、それに生クリーム、チーズ、卵黄、粗挽き黒コショウを加えてソースとする。ニンニクをいれたり、炒めるのにバターを用いることもある。非常にこってりとしたソースであるため、パスタには太くて平たいタリアテッレ(フェットゥッチーネ)が用いられることも多い。本場イタリアのものは生クリームを用いないものもあり、見た目も、風味も、日本風カルボナーラとは異なる。本来のパルミジャーノ・レッジャーノや塩漬けの豚肉であるパンチェッタを用いると、なお美味しい。
日本では「イタリア人はカルボナーラに生クリームを入れない」と言うのが定説になりつつあるが、イタリアでも生クリームを使うレシピも珍しくないので正しいとは言えない。ただし分量的には卵が主であり生クリームが従である。イタリア以外のヨーロッパやアメリカでは生クリームを多量に用いるレシピが多い。

ーーーーーーーーーーーーウェキペディアより引用

ちなみに、アドマーニで、カルボナーラがメニューに載る事はあまりありませんが、今日はそんなカルボナーラのお話。

ちなみに、土曜日のランチで久々の登場。
twitterでは、なるべくその日のランチメニューのパスタだけは呟くようにしていますが、これもなかなか・・・・。
独りぼっちなので、それでもよくやっていると思ってあげてもらえると嬉しいですが・・・。

ちなみに、H★Tさん達の間では、カルボナーラは「アドボナーラ」と呼ばれています。
「アド」マーニのカル「ボナーラ」で「アドボナーラ」

誰が最初にこう呼んだんでしょうね??

そんなランチのアドボナーラがあるよツイートにつられたH★Tさんが二組。
あっ、ゆかさん!!



もちろんアドボナーラをチョイス。しかもグランデ!!(大盛り)
ちなみに、ランチのパスタはプラス320円で大盛りになります。パスタだけ増やすなんで野暮な真似はしません。だって、バランスが崩れるじゃないですか。なので、バランスを維持したまま1.5倍のサイズになります。
この手のパスタのグランデは、見ているだけでおなか一杯になるのですが、そこはさすがのH★Tさん。ぺろりと完食。

そして、あっKOOHさん!!


そうそうムール貝もタカエビもぷりっぷりで、アサリも大きい!!
って
ちっがーう!!
いえいえ、kyonさんとKのんちゃんはアドボナーラでしたが・・・。

忙しい時のカルボナーラは大変なんですよね。ソースがだまになっちゃいけないし、かと言ってモタモタやっていたらオペレーションがあっという間に崩壊してしまう。
その辺は慣れですね。
ちなみに、ゆかさんのカルボナーラは4人分を一気に仕上げたのですが

・@noririndayo 麺が熱々なのにソースがダマになってないんです。凄い。美味しかったです( ̄▽ ̄)

とゆかさんのツイート。ちょいと着眼点が違います。さすがH★Tクッキングパパです。パパではないですが・・。

とそんなアドボナーラについてのお話。



カルボナーラはアドボナーラでいいんですよ。
というのは、アドボナーラは、カルボナーラとしてはちと邪道なんです。正式なカルボナーラとは作り方が違います。オリジナルっていう訳ではないのですが、これはその辺のお話。


終業をしていた2件目のお店。
某有名イタリアンでしたが、ここでのカルボナーラの作り方を踏襲していたのが初期のアドマーニのカルボナーラ。
ちなみに、オープン当初はメニューに載っていました。
今はすべて日替わりメニューで構成していますが、オープン当初は、ランチはベーシックなパスタを定番として3種類ほど固定で用意してあり、カルボナーラももちろん定番として供していました。ディナーでも、当初はパスタのセットメニューがありましたので、その定番の固定としてカルボナーラを供していました。

うん、皆さん喜んでくれていました。

ただ、修行した店の作り方を踏襲して作り続けていたんですが、あるとき気が付いてしまったんです。

このカルボナーラは本流の作り方とは違う。。
けれども、固定のファンが付いていた事もあり、これはこれとして作り続けていました。

転機は3年後。

今のアドマーニが誕生します。ディナーはプリフィックスをはじめとするコースのみの設定。ランチも定番パスタは辞めて、日替わりのみ。今のおなじみのスタイルですね。
で、どうしてこうしたかと言えば、その時その時入る素材を大事にしたかった。だから、その時に入る食材だけでメニューを組む事にしたんです。
カルボナーラの材料は、パンチェッタやグアンチャーレやベーコンなどに生クリームと卵。
だから、いつでも作れる。それ故の定番パスタだったのですが、それであるが故、メニューに登場するのは、そういうお勧めの食材がちょいと苦しい時とか、どうしても自分の気分がカルボナーラな感じになってしまった時、に限定されてしまいました。
そして、定番として登場しなくなったのを機に、作り方も見直しました。

いわゆる本流というか、そういう作り方です。

で、しばらくはそれでずっと通して来たんですね。

今のメニューになって、カルボナーラを所望される事もかなりすくなり、3〜4ヶ月に一度登場するかな?位の感じになっていたのですが、それはそれで特に問題がある訳もなく。。

そして、とある日。
あるお客様がいらっしゃいました。
若いカップルでした。
コースを出し終えて、確かその日の最後のお客様であったと記憶していますが、ほっと一息ついていますとホールのスタッフから「お客様がカルボナーラを食べたい。」とおっしゃっていますと。
食後にカルボナーラ?今となってはH★Tさん達の間では普通にドルチェのように食べますけど(汗)、その時はとにかく「気持ちは分かりますけど、とにかく重いのでコースの後にそれを食べるのはちょっときついかもしれません。」と。「出来れば、アーリオ・オーリオをオススメします」という事でスタッフをいかせます。

帰って来た答えは意外なものでした。

「以前中央町にあった時によく食べていたのでどうしても食べてみたい。」と。

お客様をちら見しましたが、あまり記憶にない・・・。スタッフが言うには、その時は高校生であったと。
高校生??

あっ!!思い出した!!

いたんですよ、結構な頻度で学生服で18時頃にパスタセットを食べにくる男子学生が二人。。確かにカルボナーラを食べていた。
そうか、そう言う事か。
あれから何年だ?もう立派な社会人だろう。という事は、わざわざ食べに来てくれたんだなぁ、と一人胸熱になって、何はともあれ、その当時のカルボナーラを一生懸命作ろうと。それからお話ししよう。

パスタを茹で始めます。
鍋にバターと角切りにしたベーコンを入れ火にかけます。
中火でバターがノワゼットの状態になるまで加熱を続けます。ノワゼットになるタイミングとベーコンがいい状態になるタイミングを合わせないといけません。
牛乳(←邪道)と生クリーム(←ちょい邪道)を加えます。塩、こしょうで下味を付けます。
茹で上がったパスタを加え一煮立ち。(←邪道)
塩で最後の調整をして、パルミジャーノと卵黄を加え手早く混ぜます。濃度はパスタのゆで汁で調整。
手早く皿に盛り、最後にペッパーミルで粗挽きの黒こしょうを振りかけます。(←マスト

あれから何年経ったか・・・・。
久しぶりに作ったカルボナーラ、いや、今となってはアドボナーラですか。そのお客様の元へ。
凄く喜んでくれました。あの時の、あのカルボナーラだと。

食後、お話をしました。
凄く不思議な感覚。その時、料理が時間を繋いだんです。
ここに至るまで、本当にいろんな事があって、それはそれでいいんですが、ただ、今は作らなくなっていた料理が、その時の記憶、いや、本当に時間を戻したような、そんな不思議な感覚。

本流であるとか邪道であるとか、そういう事はなんかどうでも良くなってしまって、ただ、この感覚、これが「本当の事」に一番近いのかもしれない。もちろん違うかもしれない。けど、時間がつながるこの感覚を与えてくれたこの料理は、このままであり続けるべきではないのかな?そんな風に思えたんです。


なので、作る機会という事に関してはそのままなのですが(汗)、ただ、私が作るカルボナーラはアドボナーラでいいじゃないか。いいじゃないか、ではなくて、これが、アドボナーラがアドマーニのカルボナーラなんだ!!




そうして現在に至ります。

国王にとってはなくてはならないものになったようです。

本流でない事を知りつつも、これは、自分にとって非常に大切な料理になりました。
たかがカルボナーラです。

けど、作るときは、いつでも初心に帰りたい。



ちなみに、合わせるパスタなんですが、キタッラでやると格別に旨いんです。ベーコンではなくパンチェッタやグアンチャーレでやっちゃうとマジでヤバいです。

という事で、また来週もやろうかな?ディナーで出すときはキタッラバージョンだと思います。

是非一度お試しください。



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