2010年03月02日

Arrivederci!ぐっさん

2/28、坂口最後の営業日。

いつものように、いつもの時が流れます。
2年と少し、このような時間が流れました。
大変な時期もありました。ここで書くことは出来ないのですが、本当に大変な時期もありました。
それでも、私たちアドマーニにとって、坂口というソムリエ、ソムリエである以前にカメリエレですね、は必要不可欠な存在でした。

Arrivederci!ぐっさん

先日渡したマダム手書きの卒業証書。

何事もなかったかのように、いつも帰る様に、そんな感じで送り出そうかと思っていました。





この10年と少しの間、アドマーニを勤め上げた人間はさほどいません。
本当に数えるほどです。
けど、その数少ない人間は、今では、福岡でソムリエとなり、イタリアで武者修行をし、オーナー・シェフ、ソムリエとして活躍をし、それはそれは本当に自慢なんです。

私たちの店、アドマーニで働く事はしんどい事だと思います。
けど、しんどいことをやらなければ、そういう仕事の中にこそ、真実や本質がある、そう思っています。

仕事を表層的に捉えるのではなく、どうしてそれをやらねばいけないのか、それをやる事で一体何が得られるのか。一つ一つの事にはすべて意味があります。
それを知ってしまえば、それをやらずにはいられなくなるのです。

そして、仕事は自分を磨くものでなくてはいけないはずです。それは私にとっても同じことで、仕事によって育ち磨かれなければ、職人として、サービスマンとして、意味がありません。
それで良い、と思うのは傲慢な心だと思っています。



そんな思いを受け止められる人間がそう多くはないことは知っています。
だからこそ、受け止められる人間は尊敬し、そして尊重したいと思うのです。
感性、という言い方も出来るかもしれません。

荒田に移ってきて、今の所、その同じような感性を持ち合わせた唯一のスタッフではなかったろうかと思っています。

Arrivederci!ぐっさん

目つきの鋭い、一見怖そうな、だけど、物腰の柔らかいサービスと耐える心を持っていました。
ワインをこよなく愛し、向上心があり、サービスの本質を求める姿は頼もしいものでした。

そんな彼は、更なる高みを目指すためにアドマーニを離れます。
フレンチ出身の彼は、おそらく熱きイタリアンを通じて、フレンチへの思いを強くしていたのかもしれません。


賄いを食べ終えて、おそらく彼が一番飲みたいであろうワインを手渡し、別れの言葉を口にしました。

胸いっぱいです。

そして、高みを目指し、前進する事ための選択であるのだから、是が非でも、這いつくばってでも前進しろ!!これからはライバルだ。わたしたちに負けるな!



そうして、彼は店を後にしました。


悲しんではいられません。
やらねばいけないことが山積みです。
人手不足?わかっていた事です。それもすべて承知。

また奮闘の日々が始まります。

彼もまた、新しい環境を手に入れ、その中で磨かれていく事でしょう。
君はアドマーニで働けてラッキーだったよ。そして私たちは、君というスタッフと一緒に仕事をする機会を得てラッキーだったよ。

GRAZIE MILLE!!

ARRIVEDERCI !

そして、FORZA!!

高みを目指そう!!!

Arrivederci!ぐっさん

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Posted by アド山 at 00:44│Comments(6)ひとりごと
この記事へのコメント
坂口さんの最終日、本当に胸がいっぱいになりますね。記事を読むだけで。

どんなに素晴らしい人だったのか、シェフの思いも含め、改めて噛みしめました。
楽しく幸せな時間をアドマーニで過ごせていたのは、坂口さんの力も大きかったんですよね。
しみじみと振り返ってしまいます。

卒業がなければ坂口さんの偉大さを認識しないままだったと思います。
これまでずっとぼんやりサービスを受けていたことを反省しつつ、彼の飛躍を祈ります。

今月のワイン会。
シェフのソロパフォーマンスもいいな!
シェフには負担が重くなると思いますが、シェフ厳選のワインもいただいてみたいです。
Posted by いとこ at 2010年03月02日 01:27
ワイン会+お2人の卒業式レポートを拝見して、思わず
涙ぐんでしまいました(>_<。)
洋平さんまでご卒業だったとは…春は出逢いとお別れの
季節ですが、判っていても淋しいものです。
坂口さんも洋平さんも、新たな場所でご活躍下さいませ!
そして、シェフを始めとするアドマーニの方々も頑張って
下さいね!
Posted by まる。 at 2010年03月02日 21:10
いとこさん、コメントありがとうございます。

そうですよ、その通りですよ。

存在の大きさやそのありがたみなど、いなくなるからこそ、失うからこそ分かるんですよね。
年がら年中咲く桜は綺麗であるかもしれないけれど、人の心は打たなかったかもしれないですね。

何はともあれ、どんな時でも前へ進むのみ。
アドマーニは人手不足ですが(泣)、けど、情熱だけは常に溢れるほどに。
ワイン会もお楽しみに。
とりあえず、先のことは分かりませんが、3月は私、シェフ・西山がすべてを仕切ります。
おったのしみに~^^
Posted by アド山アド山 at 2010年03月03日 19:48
まる。さん、コメントありがとうございます。

まる。さんがいない間に、こういうことになってしまいました。(涙

しかし、感傷的なブログになってしまいました。
けど、うん、なんか、ずっと真剣にやってきたから、だから、終わった時の満足感や、そこを去る寂寥感は増すのかもしれないですね。
勤め上げれる人はあまりいないので、上がる人に対して、感謝の気持ちや激励の気持ちも大きいのですが、出来る事なら・・・、などと思ってしまう未練がましいところもあります。

ただ、一度決めたのなら、ただひたすら猪突猛進!

生き様はハードボイルドで良しとしたいと思います。
Posted by アド山アド山 at 2010年03月03日 19:56
こんばんは。

後遺症、かもですね。
すいません、伺えなくて。

シェフの宿題、聞きました。
まだ飲んでないからコメントできないそうで。
今度、武方面に出掛けるので、武のワインショップを覗いて、バローロ見てみようかと。
お財布との相談次第では購入もあり得るかも。
イタリアワインの王様らしいですね。
Posted by いとこ at 2010年03月03日 20:19
いとこさん、バローロはイタリアワインの王様ですが、作り手しだいです。
そこがイタリアワインの面白いところでもあり、悩ましいところでもあります。
とにかく、買ってひたすらに飲むべし!
Posted by アド山アド山 at 2010年03月05日 00:52
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